人に届けるお仕事。自分が動画を作るとき。





唐突ですが今回は何をするべきか途方に暮れる9月のある日に作った動画について、私の作り方とか想いの解説を文字にして残しておきます。


これ見てください。↓
https://twitter.com/daiki_yuyu/status/773763128714604544



まず、使わせてもらった曲は、「からくりピエロ」の冒頭です。まらしぃさんという凄腕ピアニストさんが弾かれた曲をさかのぼっていたら出会いました。ボカロらしいです。からくりピエロを最初に聞いた時にあーーーーーー!月9のーーーーー!タイトルがーーーーー!!!浮かんでくるよーーーーー!ってなりまして。(語彙力)



ということで動画づくりスタートです。


一番最初にこれだけは入れたい!という要素を決めます。今回だと「タイトル」と「主演山田涼介」「アニキの彼女に恋をした」ということ。そして起承転結の起承転までの部分の要素が入っているか。今回の「転」はアニキの彼女に恋をしたというところです。そして「転」のあとに「息継ぎ」があるか。


次に、私の場合は耳から入る情報を先に決めてしまいます。ありがたいことに音楽には出会えていたので、どの部分をどれだけの長さ使うのかを決めました。今回は1番最初の部分です。最後は不自然にならないようにだんだん音を小さくしています。


最初のオルゴール音。まだ月9が公表される前は山田くんはおもちゃ屋さんのリーマンだという噂を耳にしていたのでそういうものを取り入れたいと思っていました。ここで最初がオルゴールで始まるからくりピエロはぴったりでした。


からくりピエロ、原曲では最初のオルゴールとそのあとの低めの音までにもう少し間があるんです。ただCM風にするためにはその”間”が長すぎたので少し"間"を削っています。オルゴールが終われば少しダンディな音が始まります。重すぎず軽すぎない、いい感じ。とはまさに。


という感じで音の作業は終わりです。
ここからが本場。視覚で訴える情報です。



オルゴール部分を前半、それより後ろを後半とするならば、後半から作り始めたので後半の話から始めます。


既出ですが、あーーーーーー!月9のーーーーー!タイトルがーーーーー!!!浮かんでくるよーーーーー!となったのは後半部分を聞いた時でした。


最初はカインとアベル、一文字一文字が浮き出てくるイメージだったのですが、兄と弟のという意味では「カイン」と「アベル」の単位で浮き出てくる感じにしようか、と。また、タイトルが出るところは背景はシンプルに白でいくつもりでした。


ただ「月9の山田くんにはちょっとアダルティに夜の街で濡れてほしい」という欲が(twitter参照)。10月期のラブストーリーということはクリスマス!イルミネーション!ということでこの背景に。少し幻想的にしたかったので写真ではなく絵を使っています。


またこの絵の真ん中には傘をさす2人が描かれています。この二人とはアベルとカインなのか、山田くんと山田くんが愛する「アニキの彼女」なのか。。。



次にやっぱり山田くんの切ない表情を入れたい!!!と最初は山田くんの泣いてる姿を探しました。でも考えてみれば、山田くんは泣くのかなぁ、と。今まではすべてアニキに軍配が上がっていたけど今回は弟山田くんも頑張るんじゃないか!?そうなったらやべぇ!切なさも強さも入れないと!曲的にも切なさからの強さだと思ったのでタイトルの後には切なさのなかに強さを持った山田くんを。


世間のイメージだとまだ山田くんはかわいいイメージかな、と思ったので力強い山田くんに「主演山田涼介」の文字を入れました。「これが山田涼介だぞ!今度の月9は山田くんのこんな顔が見れるぞ!強いぞ!」って感じ。


たぶん最後の部分には初回の日程が出ることが多いでしょう。映画だと公開日。まぁこの時点では初回の日程すら未定だったのでカミングスーンに。



あと、イメージだと兄弟2人で揺れちゃうヒロインはきっと妖艶な人なのかなぁと思って、洋風な艶をアゲハチョウで表現しました。色合い的に少し水色がかかった色を使っていたので青いアゲハチョウ。これは普通のアゲハチョウのイラストを半分に削って貼り付けてます。超アナログ手法。



さてさてここまでで後半は完成です。前半の解説にいきましょう。


先ほど書いたように、前半のオルゴール部分では山田くんの切ない表情を入れます。さらにここには1番大切な「アニキの彼女を好きになってしまったこと」を盛り込まなければいけません。あと欲を言えば、なぜこんなタイトルなのか、創世記がモチーフなんだよ!って釈明しておきたい。


最初の起承転結の起の部分は、ストーリー的な「起」ではないけれど新ドラマがはじまるぞ~って感じ。そこに釈明の創世記。笑


それからはずっと山田くんの切ない表情探し。物思いにふけってる山田くんをたくさん探します。これだ!というものが現れない限り永遠に山田くんを探します。最終的にこれだ!というものに出会えなくても数をみることは絶対に大切だと思ってます。ここで挫折することも多いです。


今回の理想は、カメラ目線でない山田くん。後半の力強い山田くんでカメラ目線の構図はあるし、なにより「アニキの彼女」だなんて後ろめたいしできれば知りたくないことだろうから横向きくらいがいいかな、って。あとは人の表情で相手の感情を読み取ろうとするとき、人は相手の目と口で判断するんですが、今回、山田くんの目と口を同時に画面で見せるのは少し構図がうるさいと感じたので山田くんの目に絞りました。


次にやっとどんな文字を入れるかを考えます。「初めて恋した相手は アニキの彼女だった」としているのですが、「アニキ」と表記しているのはこれまた公式に出る前に月9タイトルが「アニキカノジョ」だっていう週刊誌をチラ見したところからですね。


ここで兄か彼女のどちらにスポットを当てるかを吟味します。日本語との勝負です。兄と彼女、どちらを強調したいのか。私はここで恋をしたのは友人の彼女ではなく、同僚の彼女ではなく、兄の彼女である、というところを強調したかったんです。だから「アニキ」をカタカナ表記にしています。もしここでバイト先の先輩の彼女ってことを強調したいなら「カノジョ」を片仮名にしたと思う。あとはその文字自体が持つ色を考えます。今回なら恋は赤だな、と。で、ここで「恋」と「アニキの彼女」を違う色にすると画面がうるさくなる。だから「恋」と「アニキの彼女」は同色です。


あとは山田くんの目と文字をがっしゃーーーーーんします。前半はとにかく切なくしたかったので、「初めて恋した相手は」という文字はポッと浮かび上がってきます。衝撃的な出会い方じゃなかったんだと思う。悪気もなく、すっと恋に落ちた。のに。


そして「アニキの彼女だった」という文字が浮かび上がるのと同時に山田くんは消えてしまいます。ここはアニキの彼女という事実に押しつぶされそうな山田くんを表現したかった。次に「初めて恋した相手は」の文字が消えます。きっと押しつぶされそうになった山田くんはその恋を一度やめようとしてしまうから。でも「アニキの彼女だった」という文字は残ります。事実は変わらないし、その人のことがやっぱり忘れられないからです。


ここで音楽も映像も消え、一瞬の「息継ぎ」があります。これがそのあとに続くものをより強調してくれるのです。




という感じで、自分の妄想を相手に伝えるにも、伝える方法を考え始めたら止まらない。すべての想いを相手が汲み取ってくれるとは限らないけど、それでも私はそれが楽しいと思ってる人間です。



ゆゆ。